No.19 ダンディrendez-vous

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「天沢」 「はい……」  気の抜けた返事しかできない。 「俺は……お前のことが好」 「はいそこまで」  今度は薫さんが咲野さんの口を手で塞いでいる。 「何すんだよ」 「もう遊莉は僕の手中に落ちているの」  えっ? そうなの? 「いや、まだだ。だからお前だって、今日は三人で来たんだろうが」 「それは竜一も、あの男の鼻っ柱をへし折りたいかなと思って、誘ったんだよ」  あっ、もしかして、パン屋で薫さんが耳打ちしていたのはこのこと? 「有り難うございます」 「どうした急に」  咲野さんが私の顔を覗き込んできた。
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