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No.1 エプロン
つまらないことで恋人の悠一と喧嘩をした。
きっと今夜は部屋には来ないだろな。不覚にも涙が零れそうなる。
何でいつも喧嘩になっちゃうんだろう……
私は悪くないと思う。いつも勝手に怒るのは悠一の方だ。
「あんな奴知らない!」
そう言いつつも、会社かえりにスーパーに寄っている私。
情けないな。きっと悠一は来ないのに。
「玉ねぎと卵はあるから、あとは鶏肉を買って」
カゴを片手に精肉コーナーへと移動する。
気が付けば悠一の好きなオムライスの材料をカゴに入れていた。
結局私は悠一が好きで仕方ないんだな。
「ケチャップはあったっけ……」
「お姉さん!」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「良平君」
「こんばんは」
良平君は屈託のない笑顔でこちらを見つめている。
Tシャツに所々破れているジーンズにスニーカー。トートバックを肩から下げていた。
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