No.1 エプロン

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「今帰り?」 「そう。良平君は大学だったの?」 「そうだよ。帰る途中だったんだけど、お姉さんの姿が見えたから」  良平君は悠一の六歳下の弟。  学生の頃は悠一の実家へよく遊びに行ったので、良平君とも顔見知りだ。  ずっと本当の姉のように慕ってくれている。  ふたりあまり似ていない。  身長は悠一の方が高い。良平君は百七十五くらいだろうか。でもふたりとも長身で細身だ。  悠一の髪はダークブラウンで短め。良平君の方はゆるくパーマをかけている。色はミルクティブラウンだ。  性格は……悠一は悪魔か大魔王が人間に変身している感じ?  良平君は見た目も中身も天使のようだ。   「兄貴はこれから?」 「えっと……」  何て答えようか? また喧嘩したなんてちょっと恥ずかしい。  でも嘘をついてもきっとバレるよね。  やっぱりここは本当のことを言うべきか……
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