No.1 エプロン

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 玉ねぎと鶏肉を切ってバターで炒める。ご飯は昨日の残りを温めて入れた。  塩胡椒をしてケチャップを入れる。チキンライスのいい香りが漂った。 「あとは卵を焼いて、きゃっ!」  いきなり後ろから良平君に抱きつかれて驚いてしまった。 「どうしたの?」 「何か甘えたくなった」  いくら悠一の弟とはいえ、良平君は小学生ではなく大学生だ。  これはマズイよね。でも傷つけたくもない。  そういえば今回の喧嘩も私の優柔不断さがいけなかったのかも。  いつも悠一に怒られる。  とにかく今は良平君だ。 「もう少しでできるから座って待っていて」 「ええ~っ、このまま出来上がるまで見ている」 「動けないでしょ?」  その時バックの中からスマホが鳴った。  悠一かもしれない!  急いで手を洗おうとしたが、良平君が取ってきてあげると行ってしまった。 「いいよ、私が」
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