No.23 Dreams come true

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「そろそろ行こうか」 「はい」  安岡さんと一緒に外へと出る。午後も日差しが強く暖かい。 「おっ、遠山の銀さんかい?」 「何です、それ?」 「時代劇を知らないのか」  呆れたようにため息をつかれてしまった。 「肩や頭に桜の花びらがついているよ」  髪に触れると花びらが掌の中へと落ちてきた。  確か桜乃が髪についた花びらを集めていたよな。 「ティッシュ、ティッシュ」  ポケットの中を探すが見つからない。 「ほら」  声と共に飛んできたポケットティッシュには、会社のロゴが入っていた。 「有り難うございます」  安岡さんに礼を言うと、花びらをティッシュの間に挟む。  これをどうしようと考えていたわけじゃない。ただ桜乃と同じことをしてみたくなった。 「五枚集めたら、俺の願いも叶うのかな」  そっと花びらを胸のポッケにしまう。  気持ちを切り替え午後の作業に取りかかった。
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