来訪者

3/7
前へ
/7ページ
次へ
そうかと思うと、何事も無い日々が何ヶ月も続く。 そしてまた、ある日突然に再開する。 ピンポーンーー また、始まった…… スリッ…… ギシッ…… きぬ擦れと床の軋む音……何者かの気配…… スリッ…… ギシッ…… スリッ…… ギシッ…… 段々と近づいてくる。 体のすぐ近くで、スリッ…… きぬ擦れの音がして、誰かの気配がする。 心臓は、胸の中で飛び出しそうなほど早鐘を打っているのに、目も開けられなければ、指を動かすこともできない。 呼吸だけが早くなる。 すると、急に体の強張りがとけ、自由に動かせるようになった。 恐る恐る目を開けても、部屋の中は、やはり何もかわりない。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加