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エリコ
青春。それは、私とは縁遠い言葉。
高校1年生の私は高校デビューしそこねた。
中学の頃、男子からはイモメガネと呼ばれていた。イモメガネなまま高校生になったのである。
入学式が終わり、少しずつクラスの中でグループが作られていき、少しずつ男子と女子の噂話も聞こえてくるようになった。
制服のスカートを短くし、それを着こなす女子達はまさに青春を謳歌している。
私、中村エリコは、女子スクールカーストの最底辺で同じ穴の狢と傷を舐めあって日々を送っていた。
友達になったミサキちゃんも、いわゆるイモ系なので、私たちの会話に男子についての話が出てくることはほとんどなかった。
私は黒髪ボブの前髪ぱっつん。
ミサキちゃんは三つ編みのおさげ。
まるで日曜の夕方にやってるアニメの2人みたいだ。
私とミサキちゃんにとって高校とは、中学と同じで勉強をするだけの場所。
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