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「・・・おい、こいつマジかよ。」
「ブローにこんだけ睨まれてるのに、身動き一つしねぇぞ・・・」
マガモたちの声が、あちらこちらから聞こえました。
「なぜ逃げなかった。」
ブローという名前らしいマガモが、彼に話しかけました。
「・・・分からない」
彼は、正直に答えました。
本当に分からなかったのです。
「そうか。」
ブローは翼を高く上げました。
「!!!」
彼は、急に怖くなりました。
目をつぶり、うずくまってしまいました。
「なぜ目をつぶったか、分かるか?」
「・・・お母さんが・・・いつも、そうやって僕を殴るの・・・」
「そうか。」
ブローは翼を下げて、言いました。
「それは、殴られる痛みを知っているから、できるんだ。」
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