「孤独な鳥」

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その日から、彼はマガモたちと一緒に過ごすことになりました。 ブローは、マガモのリーダーでした。 他のマガモたちも、最初は乗り気ではありませんでしたが、ブローの言うことを聞くことにしました。 「お前の名前は何という。」 「・・・分からない。名前で呼ばれたことがないんだ。」 「そうか。」 「お前は仲間がいるのか。」 「家族がいるよ。・・・僕は、多分違うけど。」 「そうか。」 「お前は、母親に見捨てられて悔しくないのか。」 「・・・悪いのは、僕だから。」 「そうか。」 ブローは、「そうか」と言うのが、口癖でした。 それ以上、聞かず、遠くを見つめるのでした。 彼は、そんなブローのことを、格好良いと思うようになりました。
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