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夫の言う通り、話は全てついているようでした。
夫の友人が家に訪れ、話し合いはほぼ双方で行われました。
妻は、現実なのか幻覚なのか分からない思いで、その会話を聞いていました。
一週間後、夫は子どもたちを連れていきました。
妻は、見送りませんでした。
子どもたちは、やつれた妻を振り返りましたが、そのまま出ていきました。
「そうよ・・・私はあの子たちにとって、母親なんて言えないわ。」
妻は分かっていました。
自分がこれまでしてきたことは、「虐待」と呼ばれるものであるということを。それは、例えどんな理由があろうとも、容認されないということを。
気がつくと、妻は家の前の小道に立っていました。
一瞬何が起こったのか分からない妻でしたが、足元に落ちていた何かに気が付きました。
「これは・・・」
ほんのり温かいそれは、上の子のぬくもりでした。
「あの子が落としていったんだわ。でもどうして・・・」
妻は、小道を遠くまで見つめました。
所々に、それが細かくちぎられて、落ちています。
「・・・街と反対方向だわ。」
何かが2人に起こる。
妻は、反射的にそれを追いかけました。
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