「鏡よ 鏡」

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毒りんごを食べた王女は、棺の中に入れられました。 小人たちは嘆き悲しみ、毎日棺を囲んで泣いていました。 ある日、白馬に乗った王子が通りかかりました。 「この方は・・・本当にお亡くなりになっているのですか・・・」 「はい・・・そうなんです・・・。」 長老の小人が、泣きながら言いました。 王子は、棺の蓋を開けました。 透き通るように美しい肌。真っ赤な唇。漆黒の黒髪。 「なんと美しい・・・」 王子は、王女にそっと口づけをしました。 すると、王女がゆっくりと目を開き、頬に赤みが戻りました。 「おぉっ!!姫が生き返ったぞ!!!」 小人たちは、大喜びです。 優しく抱き起こされた王女は、王子をひと目見て、微笑みました。 「まぁ・・・なんだか、どこかでお会いした気がしますわ・・・。」 「きっと、夢の中でしょう。」 王子は、黒く優しい瞳で、王女を見つめました。
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