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「良かったですね、女王様・・・。」
様子を一人見ていた鏡は、ほっと一息つきました。
あの日、鏡が提案したのは、「生まれ変わり術」でした。
リンゴ売りのふりをして、王女にリンゴを渡し、一時的に催眠状態にかける。
小人が帰ってくるのを見計らって家から飛び出す。
小人が見ている前で、雷に打たれると同時に、姿が消える。そして・・・
真実を話す鏡は、一つだけ嘘をつきました。
王妃に、明かさなかったのです。
これまで募らせていた、王妃への好意を。
その思いは、王妃に届かないことが分かっていたのです。
鏡は、力を使い果たしました。
最後に、鏡は二人を映しました。
手を取り合って、永遠の愛を誓う二人を。
そして、心の奥に、あの人の幸せに満ちた顔を描きました。
「最後は、ハッピーエンドで。ソフィア様。」
おしまい
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