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『この惑星と、お前達こそが銀河の災厄だ……!この惑星と、傲慢なテラの王族貴族がいる限り!ファラビア・テラの庶民にも、他の惑星の民にも、未来永劫平和は訪れない……!お前達の首を落とさなければ、必ず惨劇は繰り返される。私達は敗北したが、この戦いの意味は……全銀河の全ての者達に伝わったはずだ!』
殺すがいい!と。彼は十四歳程度の見た目に反し、凛々しく雄々しい声で叫んだのだった。
『私を処刑台に送るがいい、リアナ・ファラビア!貴様の無知で愚かな面を永遠に刻みつけて地獄に連れていってやる……!奈落の底から、私は貴様らを未来永劫呪い続けてくれよう!!』
その時。リアナは――ああ、なんて愚かなことだと思うが。
殺意を向けられいるはずだというのに、その少年の屈せぬ姿に完全に魅了されていたのである。
初めてだったからだ。この自分の権力を恐れず、阿ることも甘やかすことも煽てることもなく――心からぶつかり、意思をぶつけてきた相手は。
その碧い髪に、真っ白な肌の――自分達とはまるで違う容姿と持ち得ぬ信念を抱いた彼に、リアナは一目で恋に落ちてしまったのである。
けして許されぬはずの、そんな恋をだ。
「私はテラの惑星が困窮し、追い込まれている現実を漸く理解しました。私達が何か手を打たなければ、この惑星にもはや未来はないということを。でも」
リアナは眼を閉じる。
自分は己が憎まれていることを理解し、その原因も察したが――それでもまだ、知らないことが多すぎたのだと後で気づかされることになるのだ。
「私は本当の意味で、星のことなど考えてはいませんでした。結局は自分と、己の恋だけで手一杯になっていたのですから」
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