4人が本棚に入れています
本棚に追加
<第一話>
「エスメア、少しだけいいですか。
大したお時間は取らせません、どうか私の話を聞いて頂きたいのです。
どうしても、今、貴方に伝えておきたかった。とても大切なものを持ち帰ってきてくれた、その貴方に。
知らないことは罪ではないかもしれない。
けれど知らないことで、許されることなどきっと何一つないのでしょう。
私は無知という大罪を犯した愚かな女。
どうか聴いて下さい。……思い上がった大国、ファラビア・テラの中でも……最も愚かで、無能だった一人の王の話を」
最初のコメントを投稿しよう!