<第一話>

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<第一話>

「エスメア、少しだけいいですか。  大したお時間は取らせません、どうか私の話を聞いて頂きたいのです。  どうしても、今、貴方に伝えておきたかった。とても大切なものを持ち帰ってきてくれた、その貴方に。  知らないことは罪ではないかもしれない。  けれど知らないことで、許されることなどきっと何一つないのでしょう。  私は無知という大罪を犯した愚かな女。  どうか聴いて下さい。……思い上がった大国、ファラビア・テラの中でも……最も愚かで、無能だった一人の王の話を」
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