第5話 顔を見せない女

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 イラストを見ていただければわかるのですが、僕は無類の妖怪好きです。  どうして? などと聞かれても、好きなものは好きだからしょーがねーじゃん、という感じです。  年甲斐もなく、強い現実逃避癖があるせいでしょうかね。(笑)  さて、無類の妖怪好き(現実逃避好き)のせいか、僕は時折現実には存在しないものを見てしまいます。  人の頭よりもやや高い所を、バイクの後を追いかけて飛ぶ白い人型とか、住宅街そばを流れる小川から民家近くの道路まで、にょろーんと伸びてくる白くて長い帯状のものとかです。  これらが何かはわかりません。はっきりとした形らしいものがありませんし、近づけば消えてしまいますし、遠くから眺めるだけのものでしかありませんから。  ネット世界では「くねくね」という存在がいます。それは田んぼのあぜ道などでクネクネとうねっている白い靄のようなものであるそうです。  白くてモヤモヤしているという部分が共通しているので、「くねくね」は、ひょっとして僕が見たものと近縁種では……と調べてみました。ところが、「くねくね」は見てしまった者を発狂させるという凶暴性を持つ存在でした。   僕が見たものは非常にのほほんとしており、人畜無害なようなので、若干性質が違うようです。 (。´・ω・)?  おや? 「お前の頭が狂っているから、そういうものを見てしまうのだよ」という意見も聞こえてきました。  ごもっともなご意見です。だとすると、僕は既に発狂していることになり、僕が見たものも「くねくね」だったということになります。  ヤバいものを見ていたんだ。((+_+))キャー!!!  自分の頭が正常であり、なおかつモヤモヤが実在していることを証明することができないので、僕が見たものが「くねくね」だったのか、それ以外のものだったのか、そこらへんの正否は不明です。  まあモヤモヤと漂っているだけで、何かをしでかすように危険な存在ではなかったので、その正体は何だっていいのですがね。  またしても前置きが長くなりましたが、今日は霊なのか、妖怪なのか、よくわからないもののお話をしたいと思います。  これはある方の怪談系小説を読ませていただいたときに、「ああ、そういえば、昔こんなものも見たことがあるなぁ……」と、思い出したものです。
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