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……いや、確かに俺は世間的には『出来損ない』なのだろう。
そのことに関しては一切否定するつもりはない。
さっきも言ったように、勉強は決して得意ではないし、運動神経も人並み、人付き合いだって良い方ではなく、『友人』と呼べるような人間は片手があれば足りるほどの人数しかいない。
俺に他人より秀でたものなんて、一つもない。
けれど、そのことを自覚していても、赤の他人からとやかく言われる筋合いはない。
特に、一部の生徒だけを『贔屓』するような教師には。
優秀な相手に対しては媚びへつらい、自分よりも格下だと判断した相手に対しては威圧的な態度をとる。
世の中、決して平等ではないということは分かっている。
分かっているけれども、それでもあの担任には嫌悪感を抱かずにはいられれない。
……ああ、気持ち悪い。
なりたくはないな、こんな醜い大人にだけは。
延々と続く説教を聞き流しながらそんなことを思っていた。
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