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「……おっと、これは失敬。貴方のお考えが、実にユニークだったのでつい。それにしても『居なくなればいいのに』ですか……。そんな貴方にちょうどいい物がございます」
「……は?」
口にはしていなかったはずの考えが読まれたことへの驚きの気持ちよりも、正直『妙な奴に捕まってしまった』という気持ちが勝る。
もしかして、新手のセールスか?
あの嫌味な担任といい、この男といい、今日はやたらと変な奴に絡まれてしまう日らしい。なんてツイていない日なんだろう。
二コリと人の良さそうな笑顔を見せる男は、きっとそんなこちらの気持ちなど知らないのだろう。持っていたトランクを開くとそのままこちら向ける。中に入っていたのは手のひらに収まるくらいの大きさのスイッチ。
「こちらは『人を消すスイッチ』でございます」
この男は、何を馬鹿馬鹿しいことを言っているんだ?
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