転生白雪姫

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 キャサリンのいる森へ向かう。たどり着くとキャサリンは、7人の小人たちと暮らしていた。男7人の中で女はキャサリンだけ。なんてたらしな女なんだと恐れる女王。  小人たちが仕事に出掛けた。やるなら、今がチャンス。キャサリンのもとへ駆け寄る女王。しかし、森の動物たちが立ちはだかる。  鹿は角を突き出して、リスは小さな前歯を突き出して、九官鳥が帰れ帰れと騒ぎ立てる。ネズミも亀もキツネもウサギもアメリカンフットボールのスクラムを組むように、壁を作って通せんぼ。  みんなキャサリンが森へ迷った際に、助けてくれたのが動物たち。小人のもとへ案内してくれもした。動物たちにとって、人間の容姿なんて関係ない。心がすべてである。  しかし、女王にはそれがわからない。キャサリンの美貌は動物をも魅了するのだと恐れるばかり。完全に心が折れた。  キャサリン暗殺はあきらめて帰ることにした。完全な敗北によって、女王は自身の美貌が世界で自分はいったい何番目なのかと疑問が沸いた。  道すがらすれ違う人に、世界一美しい女性は誰かと質問を繰り返した。すると、それぞれが別々の名前を口にする。それは女王が知らない名前ばかりで、確かめるために顔を見に行くと、確かに美しいと思う女性もいれば、それはないだろって人もいた。  それ以外にも、世界一の質問に対して、3人の名前を上げた男もいたし。4人グループに尋ねると、別々の名前を言って、自分の女性が世界一だって喧嘩をし始めた。  女王は笑った。美しさに世界一はない。あるとすれば、それぞれの男に世界一がいると悟ったからである。
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