20人が本棚に入れています
本棚に追加
夫は中学時代の同級生。クラスでも目立つタイプで、私はずっと彼に憧れを抱いていた。クラスのみんなと仲良く、みんなに優しい。嫌なことがあっても、「すべて許そう!」と、自分が飲み込むことで調和を考える生徒だった。そんな夫が輝いて見えた。
そんな夫と再会したのは、大学卒業後に入社した広告代理店。私はデザイナー。彼は営業。部署は違ったけれど、同期メンバーで集まる機会が多かったので、すぐにお互いを認識した。
「もしかして、希絵?」
「神崎くん?」
「めっちゃキレイになったじゃん」
「ホント!?」
「彼氏、いるの?」
同期で三度目の飲み会。そんな会話がきっかけで付き合うことになった。
すぐに彼氏の存在を尋ねるあたり、チャラチャラした性格に感じるかもしれないけれど、中学時代の彼を知っている私は、別に違和感がなかった。なのに……。
最初のコメントを投稿しよう!