フリップゲーム

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 夫は中学時代の同級生。クラスでも目立つタイプで、私はずっと彼に憧れを抱いていた。クラスのみんなと仲良く、みんなに優しい。嫌なことがあっても、「すべて許そう!」と、自分が飲み込むことで調和を考える生徒だった。そんな夫が輝いて見えた。  そんな夫と再会したのは、大学卒業後に入社した広告代理店。私はデザイナー。彼は営業。部署は違ったけれど、同期メンバーで集まる機会が多かったので、すぐにお互いを認識した。 「もしかして、希絵?」 「神崎くん?」 「めっちゃキレイになったじゃん」 「ホント!?」 「彼氏、いるの?」  同期で三度目の飲み会。そんな会話がきっかけで付き合うことになった。  すぐに彼氏の存在を尋ねるあたり、チャラチャラした性格に感じるかもしれないけれど、中学時代の彼を知っている私は、別に違和感がなかった。なのに……。
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