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「お前ら、手を出す相手を間違えたな。飼い主の指示通り、大人しく人の子を獲って食ってりゃあ……まだ死なずに済んだのによ」
男はその後を悠々と追いかける。
刃についた血を払いながら、一歩、また一歩と――――蜘蛛を追い詰めていく。
蜘蛛は勢いよく後ろに退いた。
「残念、手遅れだよ」
ぼそりと、男は呟く。
突き出された刀の先は、蜘蛛の脳天を貫いていた。
そのまま刃を走らせると、蜘蛛の体は真っ二つに分解され、塵となって消えた。
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