ここのお屋敷

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ここのお屋敷

「息子は、大学生になって、後には私の跡を継いでもらう予定だ」 大学生ということは、私年上ということか、まぁ、歳下よりはやりやすい。 ここで一か月働くことになった、私、高山 叶芽(たかやま かなめ) 17歳。受験に失敗してしまい、一番家から近い私立を滑り止めで受けたところに行くことになったが、その高校は、超名門である日本でも名高い、メイド執事育成専門高等学校だった。あまり考えずに受けてしまったことを深く後悔した。メイドや執事になりたい人が多く、休み時間は、どこどこのお屋敷はメイド服が可愛いなどといった、すこし外れた話で盛り上がっていた。 私はそんな話には全く興味がなく、2年の夏に学校を中退した。 そして、私の1か月間の主人となった、お屋敷の所有者。市原 一也(いちはら かずや)様。52歳。45歳の時に総合病院を設立した院長。そして、結構医療のスペシャリストな為に、あまりお屋敷にいないんだとか。たまたま通った所に私が学校から出てくるのをみて、声をかけたらしい。あいまいな返事をしたらさっきの会話の流れになった。 主人の奥様、愛華(まなか)様は、今は主人とともに病院の運営を行っているが、かなりの美人だと絶賛。 私が担当するのは、長男でさっき話ていた、大学生の19歳の天都(あまと)様の専属メイド。専属メイドのやる仕事は大体、専属となった方が教えてくれるのでそれに従うこと。・・・って教わった。 その5歳下の冬香(ふゆか)様は、お嬢様学校に通っている。 これが市原家の家族構成だ。まっ、すげぇってことはわかったし、超金持ちだ。
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