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しばらく喜びの輪が続き、泉沢両親が私の前に一枚の用紙を見せた。
う、そ!!
「 おばさん、これ… 」
「 婚姻届よ、凛のプロポーズ受けたんだもの~ 善は急げってね。だって羽奈ちゃん逃がすわけにはいかないのよ~ これ出したら私の娘ね、嬉しいわ 」
ひー、今書けって?
さすが、凛の親ね、ほんと似てるし…… ん!
保証人欄もう書いてあるー!
あ~ 私は凛だけじゃなくおばさん達からも囚われてたのね。
ほんと、私の人生って… 笑える。
ただ、おばさんは凛の母親だけに、しっかりしている。
婚姻届は書いてすぐ提出してしまうと、凛の事だから四六時中私にくっついて離れないだろうから提出は凛の社会人としての成長願い二十歳になったらと秘密裏で親子の約束がされていたという。
「 羽奈、凛をよろしくな 」
「 頼… 言っとくけど凛を私一人になんてダメだからね 」
「 チッ 」
「 こら!」
俺は自由だー!ってそんなわけないからね。
いつまでも凛は私たちの凛だから。
まぁこれで凛の奥さんになったら恨み買うよ?
なんて恐ろしい……
いや、いやぁ!
でも、私が凛の… ふふ。
「 おばさん、羽奈幸せにするからね。約束、守るよ一生ね 」
「 凛ちゃん… ありがとね、羽奈をよろしくね 」
お母さんと凛が抱き合い喜んでいる。
何を話してるかはわからないけど、嬉しそうだから良しとしようか。
「 羽奈~ ケーキ入刀しようぜ 」
「 え… えー!それは式でやるもんだよ 」
「 やるんだよ、今!やりたいし、二人で。家族だけで 」
くー…… コイツはほんとに~
本番は別だと言う凛とのケーキ入刀に、両親たちは大喜び。
頼はもちろん写真撮影。
私はというと……
「 凛、指輪…ちょうだい?」
「 初夜にな 」
「 え… 」
“最高に甘い夜にな、奥さん”
は?
甘い囁きが耳に。
何、初夜って… なんで?
「 凛!」
「 俺たち二人の時に… 極上の幸せを味わいたいだろ?それまで我慢しろ 」
な… なんなのコイツは。
何が極上の幸せ?
今幸せだからいいのに!
欲しいのに、私の…指輪……
ハートのダイヤ……
「 私の指輪ー!!」
_ 完 _
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