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頼が何を考えてこんな物静かな所へと私を連れてきたのか……
小声になってしまう場所だった。
『 ねぇ 本でも読むつもり?』
『 読まねーよ 』
『 こんな気を使って話すの?』
『 ちょっと相談があるんだよ、誰にも聞かれたくない 』
『 だったらここじゃなくて、外で話そうよ 』
それもそうだと、頼は笑い図書室を出た。
まったくもう考えなしなんだから。
話聞かれたくないなら逆に外の方が聞かれないよ。
見られるけど。
「 で、何?」
相談なんて凛の事しかないのに……
「 俺、一人暮らしする 」
「 え! 嘘、ほんとに?」
「 やっと資金が出来たしな。親には了解もらってる 」
あ… やっぱり凛か。
「 バイト頑張ってたもんね、良かった。でも心配なんでしょ、凛が 」
「 ああ。羽奈が家を出て、凛が羽奈が隣にいない事認めたくなくてアパート行くんだと思う。俺までいないのは凛がどう思うか… 」
まぁ わかるけど……
「 心配しなくていんじゃない?子供扱いすれば凛は反発して拗ねるだけだし、頼が一人暮らししても私の所と行き来するだけだよ、大丈夫 」
信じてあげなきゃね、凛が男なら尚更。
凛がうちに来るのも私が心配なんだろうしね。
凛は大丈夫だよ。
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