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『禁止行為3箇条』もあるわけだし、
これ以上、厄介な事件を起こしたら
職を失いかねないかもしれない。
だから、このまま
平穏に過ごすのが一番の得策なのだ。
そう心の中で誓っていると
山根先生は
ニヤッと笑いながら
おれの顔をのぞきこんできた。
「って、思うだろ?
でも、油断していたら
いつの間にか惹かれ合って、
おれみたいに結婚することになるかもよ?」
予想外の告白に
おれはギョッと驚いた。
「え!
山根先生、生徒と結婚されてたんですか!? 」
眼鏡をかけて、
いかにも真面目そうで
派手な恋愛とか全く無縁そうな山根先生が、
生徒と結婚していたなんて・・・。
意外すぎて、
しばらくポカーンとしていると、
山根先生は、
「ま、もちろん
嫁が卒業してからだけどな」
と言った。
「は・・・はあ・・・、
そりゃそうですよね・・・。
生徒が在籍中に先生と結婚なんて、
ありえないですもんね・・・」
まだ頭の中が混乱しているおれの肩を
ポンポンと山根先生が叩く。
「確かに、生徒達には
大人の雰囲気はまだ足りないかもしれないが、
大人の女性には無い
ありあまる『パワー』があるから、
高山も気を付けろよ」
そう言うと
山根先生はさわやかに
その場を去っていった。
忠告だったのか、
それとも「女子生徒と恋愛してもOK♪」
と言いたかったのか、
どっちかはよく分からなかったけど、
『教師と生徒』の恋愛なんて
マンガやドラマの世界でしかありえないよな、
と、この時はそう思っていた。
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