第1話:苦手な優等生

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「ご・・・ごめんね、夏菜」 「確かに西森が言うように 掃除はもうイヤだな・・・」 あんなに騒がしかったクラスが ウソのように静まり返り、 生徒たちは教科書に目を落とす。 おれは恐る恐る 西森の方に目を向けた。 すると、ものすごくにらんだ顔で おれの方を見ているではないか。 あまりの怖さに「ビクッ!」とひるんでしまった。 そう、きっと心の中で、 『あんた、先生なのに、 何をモタモタやってんのよ!』 と、お怒りで爆発なのだろう。 あーあ・・・ また、西森に助けられてしまった・・・。 これで何回目だろう、 騒がしくなった教室を西森が静めたのは。 西森 夏菜 うちのクラスの学級委員長。 学年一成績が良くて、 真面目な優等生。 先生、生徒どちらからも 信頼を寄せられていて、 本当に絵に描いたような優等生だけど、 なんかおれは・・・ 「高山先生、ちょっといいですか? 」 授業が終わり、 職員室に戻ろうと廊下を歩いていると、 後ろから不機嫌そうな顔の西森に呼び止められた。 はあ・・・、やっぱりこいつ、苦手なんだよな・・・
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