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「ご・・・ごめんね、夏菜」
「確かに西森が言うように 掃除はもうイヤだな・・・」
あんなに騒がしかったクラスが ウソのように静まり返り、
生徒たちは教科書に目を落とす。
おれは恐る恐る 西森の方に目を向けた。
すると、ものすごくにらんだ顔で
おれの方を見ているではないか。
あまりの怖さに「ビクッ!」とひるんでしまった。
そう、きっと心の中で、
『あんた、先生なのに、 何をモタモタやってんのよ!』
と、お怒りで爆発なのだろう。
あーあ・・・
また、西森に助けられてしまった・・・。
これで何回目だろう、
騒がしくなった教室を西森が静めたのは。
西森 夏菜
うちのクラスの学級委員長。
学年一成績が良くて、 真面目な優等生。
先生、生徒どちらからも 信頼を寄せられていて、
本当に絵に描いたような優等生だけど、
なんかおれは・・・
「高山先生、ちょっといいですか? 」
授業が終わり、
職員室に戻ろうと廊下を歩いていると、
後ろから不機嫌そうな顔の西森に呼び止められた。
はあ・・・、やっぱりこいつ、苦手なんだよな・・・
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