隣の絵描きは憎い

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 冬休み前最後の日に全校集会が開かれて、僕と彼は簡単に表彰された。盛り上がりの差は傍目にも歴然としていて、まあそれは賞の差として当然ではあるけれど、彼に対する歓声も冷めきらない空気の中、お気持ちばかりの適当な拍手を聞くのはあまりいい気持ではなかった。  県大会で銀賞をとった吹奏楽部が後に控えていたから、礼もそこそこにそそくさと舞台を降りると、珍しく彼が話しかけてきた。 「お前も賞とってたんだな。すげーじゃん。」 「……別に。たいしたことないよ。」 同じクラスなのに知りもしなかったんだな。それが当たり前だとわかっていたはずなのに、なぜか悔しくて仕方なかった。  なんで君が絵なんて描いてるんだ。友達も多くて、運動もできて、可愛い彼女もいて。別に絵じゃなくてもよかったくせに。僕には、絵しかないのに。なんで。
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