【イジメっ子】

4/9
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「え?あなたもお母さんに賛成なの?」 と、再び百合子が顔を曇らせた。 「い、いや!」 と、俺は慌ててその場を取り繕った。 うん! 妻には妻の苦労ってもんが有るんだよな! 分かってあげなきゃ! 「あ!そういや、明日から俺も土日休みだ!明日の朝は俺が朝御飯作るから、ゆっくりしててくれよ!」 「そう?いつもありがとうね。じゃ、寝るわ。おやすみなさい」 「うん、おやすみ」 百合子は、せきを切ったかの様に大アクビをすると、 足早に寝室へと行ってしまった。 「………」 俺は、夕食を食べながら、 百合子が話してくれた綾香の『武勇伝』を再び、思い浮かべ…物思いに耽った。 そういや… 俺も昔は… 結構、いじめられたものだなぁ…。 俺の場合は、イジメっ子に対して、何も言い返せなかったけど…。 実は、俺は中学の時、 一部のクラスメイトから日常的にイジメを受けていたのである。 もう、今からかれこれ、 二十年近く前の話になるが……。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!