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「え?あなたもお母さんに賛成なの?」
と、再び百合子が顔を曇らせた。
「い、いや!」
と、俺は慌ててその場を取り繕った。
うん!
妻には妻の苦労ってもんが有るんだよな!
分かってあげなきゃ!
「あ!そういや、明日から俺も土日休みだ!明日の朝は俺が朝御飯作るから、ゆっくりしててくれよ!」
「そう?いつもありがとうね。じゃ、寝るわ。おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
百合子は、せきを切ったかの様に大アクビをすると、
足早に寝室へと行ってしまった。
「………」
俺は、夕食を食べながら、
百合子が話してくれた綾香の『武勇伝』を再び、思い浮かべ…物思いに耽った。
そういや…
俺も昔は…
結構、いじめられたものだなぁ…。
俺の場合は、イジメっ子に対して、何も言い返せなかったけど…。
実は、俺は中学の時、
一部のクラスメイトから日常的にイジメを受けていたのである。
もう、今からかれこれ、
二十年近く前の話になるが……。
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