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(――…ふぅー。まさか攻略対象の4人も同じクラスに居るなんて思ってもみませんでしたわ)
父・フィスカル達と夕食を食べてから少し風に当たりたくて中庭の噴水の淵に腰掛け心の中で考え出していた。夜風に当たっていると城の兵士らしき人物が父の執務室に向かって歩いて行ったのを見てクリスティーナは首を傾げてからその兵士に気付かれないように物陰に隠れながらついて行った。
(?何か至急の要件なのかしら?)
そう思いながら物陰から様子を伺っているとその兵士は執務室に着くとドアをノックしてから執務室に入っていった。しばらく様子を見ているともう一人青年が執務室に入るのを見て少し小首を傾げ後ろから誰かにポンっと手を置かれた。
「何をしてるんですか?お嬢様」
「~~~~~~っ⁉な、なんだ、メアリーでしたか。ビックリさせないで下さい」
クリスティーナは声にならない悲鳴をあげてから後ろを振り向くとメアリーが心配そうに覗き込んでいた。
「…ちょっと気になちゃったからね。お父様に話をしに来た兵士と青年の会話がね」
「お嬢様…それは聞いてはならない内容なのです」
メアリーは苦笑いするとクリスティーナを立たせクリスティーナを部屋まで送り届けたのだった。
部屋に戻るとクリスティーナはベッドに倒れ込めば瞼を閉じて眠りに付いた。
勿論、メアリーは部屋で解れたものを手に裁縫道具を取り出し、針に糸を通して解れたものを繕いはじめ整えた。
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