第一章 初めて目にする者

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執務をあらかた片付けると席を立ち、妻と産まれたばかりの娘の元に向かって歩いて行った。 コンコン… 「――…はぁい、どうぞ」 部屋の中から返事が聞こえ、フィスカルは室内に入っていき 「失礼するよ。アリシア、大丈夫かい?」 「えぇ、フィスカル様。大丈夫ですよ。ほら、こんなに可愛い子が産まれてくれました」 アリシアは産まれたばかりの赤ちゃんをフィスカルに抱きながら見せた。赤ちゃんはスヤスヤと眠っている。 「よしよし…おお、可愛いな。決めたぞ。この子の名前はクリスティーナだ」 フィスカルはアリシアから娘を受け取れば、あやしながらこの子の名前を決めた。 「まぁ、可愛い名前ですね」 アリシアは手をポンと合わせて優しく微笑んでそう言った。 「そうだろう、そうだろう。この子は元気に育つぞ」 フィスカルはクリスティーナを高い高いをした。
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