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それからクリスティーナは元気にスクスクと成長していった。
時には転んだりしたけど、周りの人達もクリスティーナの成長を優しく見守りながら仕事に精を尽くした。
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それから13年が過ぎた。
クリスティーナ・リル・クレメンティア 15歳。
私は侍女のメアリーと共に屋敷の中庭でティータイムを過ごしていた。
「今日はカモミールティーね。癒されますね」
「はい、クリスティーナお嬢様。お嬢様が少しお疲れのご様子でしたので御用意しました」
メアリーがそう言うとクリスティーナは優しく微笑んでお礼を言った。
「ありがたく存じます。メアリー、あなたの優しさには痛み入るわ」
そんなやり取りをしながらお茶を飲みながら中庭の花々を見て楽しんだ。
父・フィスカルに呼ばれ、父の執務室に向かって歩いた。
(お父様の御用とはなんでしょう?)
クリスティーナはそう思いながら、父の執務室の扉をコンコンとノックした。
「お父様、クリスティーナです」
『おお、クリスティーナか。中に入りなさい』
父に促されるように執務室の中に入った。
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