第一章 初めて目にする者

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「カルロ・K・グラヴィスと申します。お目に掛かれて光栄です。クリスティーナ様がこんなに愛らしい方だとは驚きました」 (え…っ) カルロはそう言えばクリスティーナの元に近寄り(ひざまず)きクリスティーナの右手の甲に口付けをした。 「な…ななな何をするんですか⁉」 クリスティーナは顔を赤くして抗議した。 「何って社交界での挨拶ですよ」 「おやおや」 フィスカルは椅子に腰掛けながらカルロとクリスティーナのやりとりを見て意味深な笑みを浮かべていた。 「社交界の挨拶というのは知ってます。ですが、何故手を離さないんですか⁉」 「僕はどうやらクリスティーナ様に一目惚れしてしまいました。どうか僕と結婚を前提にお付き合いして貰えないでしょうか?」 カルロは真剣な眼差しでクリスティーナを見詰めた。
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