初めての、弓。初めての、恋?

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「穂花、おはよ」  通学路の坂を登っていると、背中をぽんっと叩かれた。振り返ると結月ちゃんの顔がにっと笑う。今日の結月ちゃんは、編み込みの髪を緩くサイドアップしていた。いつ見ても本当にオシャレ! 「おはよう~」 「今日の世界史予習した?」 「うん、いつ当たるかわかんないんだもん」 「相変わらず真面目ー」 「結月ちゃんは答えられなくても堂々としてて格好いい」 「それ、誉めてる? 誉めてないでしょ」 「誉めてるよ~」  あの合宿以来、私と新奈と結月ちゃんは名前で呼び合うようになった。距離がぐっと近づいて、すごく仲良くなった。今では休日だって一緒に過ごすくらい。  色々な話をするようになって、互いにわかったことがたくさんある。例えば…… 「おはよう、神田」  結月ちゃんの頭を、ぽんっと(はた)いて私たちを抜いていくのは一つ上の先輩だ。  同じ中学の先輩だから、私も見たことがあるを 「もう、叩かないでください。髪の毛乱れますから!」  そう結月ちゃんが怒ると、先輩はにぃっと笑って坂をかけ上っていく。秋山(あきやま) 一翔(かずと)先輩は、結月ちゃんと同じバレー部の先輩。  結月ちゃんの、好きな人。  結月ちゃんは、怒ったような顔で先輩の後ろ姿を睨んでいたけど、その頬は僅かに赤く染まっていた。
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