新しい、春。新奈の、本音。

2/21
54人が本棚に入れています
本棚に追加
/144
 冬が終わって、新しい春がやって来た! もう去年みたいにドキドキしない。と言いたいところだけど、今年もクラス替えがあるから落ち着かない。新奈と結月ちゃんと別れちゃったらどうしよう。  そんなドキドキは的中してしまう。  一年生の時よりもまばらになった掲示板の前、私たち三人は見事にバラバラになっていた。新奈は一組、私は二組、結月ちゃんは五組だった。 「バラバラだぁ」 「お昼は間の穂花のクラスに集まるかぁ」 「でも、陽平と湊もおんなじクラスだね」  良かったね、そう、新奈がにやにやと耳打ちしてくるものだから、私は思わず顔を赤らめた。三年ではクラス替えがないので、あとはずっと同じだ。  話したこともない子ばかりの中で、陽平君がいるのは心強いし、湊君がいるのは、すごくすごく嬉しい。 「なによ、にやけちゃって、薄情」 「にやけてないよ」 「まぁ、三年は選択教科ばっかでクラスはあってないようなものだし、お昼は一緒だし」 「あ~でもやっぱ寂しい」 「新奈のクラス、透真がいるじゃない。ボッチは私だし」 「透真かぁ」  透真君は賢くて、よく気が付くタイプの人。すごく気配り上手な人だなぁって思うんだけど、新奈はちょっと苦手にしているみたい。 「透真私に厳しいからなぁ」 「愛情の裏返しでしょ」 「ないない」  言われてみれば透真君は新奈に厳しい。少しだけ適当なところのある新奈に、透真君は容赦なく突っ込みを入れる。結月ちゃんの言う通り愛情の裏返しだと思えばそんな気もしてくるけれど、それならもう少しオブラートに包んだものの言い方は出来ないものかと思わず苦笑い。
/144

最初のコメントを投稿しよう!