親友の裏切り

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 会う勇気は無いし手紙を出す勇気すら無い、それならせめて年賀状の遣り取りだけでもと思い、師走に秀君宛に年賀状を出してみたら明くる元旦に秀君の年賀状が届いた。その年の師走にも秀君宛に年賀状を出してみたら今度は明けて三箇日が過ぎても梨の礫だったし、秀君以外の旧友らも去る者は日々に疎しで肇に親しみを失ってしまい誰も年賀状を寄越す者はいなかったので、「遂に秀君も疎遠になった僕の年賀状が鬱陶しくなったんだ」と思い、酷く落胆した。
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