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「ことりさん、やっぱりパソコン故障じゃなかったです!お帰りなさい。」
くくるがことりを歓迎すると、新竹は微妙な顔をする。
「何ですか、タケさん。ご不満ですか?」
「いや?そうじゃないけど…お母様の側がいいだろう?真っ当な仕事に就いて…。」
「俺らは真っ当じゃないみたいに聞こえますね?」
要人が言うと、新竹は渇いた笑い声を出した。
「ねぇ、仕事入ったんだけど………ことり?どうしたの?遊びに来たの?観光?」
美希は奥の部屋から出て来て、ことりを見て言う。
「もう!戻ったんです!まさか置いてくれないとか意地悪言いませんよね?」
膨れた顔でことりが言う。
「丁度いい!ナイスなタイミングよ?この公園にね、夜になると不審者が出るんですって。それもカメラを構えて、暗い中フラッシュを光らせて写真撮って逃げるらしいの。夜になったら二人で行って頂戴?」
満面の笑顔で美希は言う。
「え?痴漢?不審者って…女の子二人に行かせるんか?」
「今更、何を言うの?二人だから大丈夫!捕まえたらフォローでテント行かせるから、連絡よろしくね?あ、要人は、夜の警護、旦那様が出張でね、奥様が怖いんですって。二日間よろしくね?18時から朝の7時まで。」
「え?そんな長時間、一人では無理ですよ!」
「分かってるわよ?途中の仮眠時間に新竹さんを行かせるし、テントも2時ごろから応援で入れるわ。朝は、めいもことりも入れるわよね?二日間だけだから、みんなで頑張りましょうね。」
「なぁ、これ、むっちゃ金の匂いがせえへんか?」
「する!レッドのあの顔は間違いなく警護にいい金額提示されてる。」
ヒソヒソと内緒話が後ろを向いて始まる。
「道路で車止めて警護だろ?張り込みじゃんか…。しんどい……。」
「うちらかて、捕まえれんかったら毎日公園行って、朝、そっちに行かされるんやで!寝る暇ないやんか!」
「ことり、交代にする?私達も。それなら一日置きに寝れる。」
「一人は危ないやろ!ていうか………。」
クルッと振り向いて、ことりは聞く。
「レッドは警護参加せえへんの?」
「するわよ?家の中で…。不審者が家に侵入するといけないから。でも、男性は嫌だって、旦那さんも奥様も言うから、私なら問題ないでしょう?」
にっこりと美希が笑う。
「あかん………。」
「自分の分も上乗せしてるね…。それで、相手も景気良く払うんだ…。」
「家の中……多分、レッドだけは飯付き……。」
「目がお金になってます。ああなったらもう、何を言っても無駄ですね。」
仕事を言い渡された四人はため息を吐いて、
「らじゃ…。」
と答えた。
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