お茶でも…。

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「うぅ……変態さんだったねぇ…。」 公園に通うこと5日目で、カメラ撮影をする不審者を捕まえる事に成功した。 女性ばかりを狙い、暗闇でフラッシュ撮影。 相手の驚いている顔を撮影するマニア。 「まぁ、警護も無事終わったし!不審者も捕まえた!レッドも儲けたみたいだし?復帰初仕事、お疲れ様。何か作るね。その間にシャワー浴びて?」 マンションに帰り部屋の前で話して、鍵を開けた。 「よぉ!おかえり。」 隣のドアが開いて、高科が顔を出した。 「何や、高科!」 「ああ、お前じゃない。」 前に出ることりを交わしてめいの前に行く。 「これ、この間のお礼というか…お返し。少しだけど、ここのは美味いって。 朝はパンだろ?」 「ありがとう。気にしなくていいのに…。料理の勉強中だから、誰かに感想言って欲しいだけだし…。」 「めい!こいつに何を食わせた?」 ことりが間に割って入る。 「えっと…この前はおでん?ほら、寒いから!」 「めいのおでんは美味い!て、違う!食わさんでいい!こいつには気をつけなあかん!めい、狙われてんねんで!うちのいない間に……。」 「そういうのじゃないわよ?」 と、言うめいをグイグイと玄関の中に押す。 「じゃあね!変態、大家さん!」 バタン、とドアを閉めて、部屋の中で文句を言う。 「たく…油断も隙もない!」 めいはそんなことりを見てくすくす笑う。 「めい?笑い事ちゃうよ?あいつはポスト竜堂だよ?あいつと結婚したら一生、ブラック地区から抜け出せない。」 冷蔵庫から冷えたコーラを出してことりは言う。 「結婚は考えた事ないけど、ブラック地区から抜け出そうとかも…考えた事ないよ?ことりもでしょ?だって、戻って来ちゃたんだから。ここに。」 ことりは少し考える。 言われてみたら、このマンションはブラック地区にあるし、このマンションのオーナーは高科だ。 思いっきり…ブラック! 「引っ越す?」 「2万だよ?この広さで…。」 「……だよね?」 二人でくすくすと笑い合った。
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