捕獲!

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「くくる!GPS!!金髪、足速っ!」 200メートルは追いかけて、追い付けない。 差が…広がっている気がした。 『自分のGPS、相手に着けました?』 くくるの冷静な声が通信機から聴こえると、ことりも我に返る。 「ああ〜……そうか。無駄か…。いつもめいがやるからさぁ…。」 『くくる!ことりの居場所教えて。ことり!金髪はどの位前にいる?』 通信機から騒がしい声が聴こえて来て、周りの声が静かになると同時にめいの息切れが聴こえた。 (あぁ…ノシタ…。) と、ことりもくくるも理解する。 「11時方向に…まっすぐ…。足速い、200メートル、300離された。 背中が小さく見える。」 持久力はあるつもりだが、足の速さには自信がない。 後ろから、ガーッという音が聴こえて、確認するまでもなくスケートボードに乗っためいが横を通過する。 「この先、右に曲がるともうひとつの住宅登録がある。多分そこに行く。 ことり、ローラー履いて、上からでもいい、先回りして。』 通過と同時に言われるが、速いから途中からは通信機から聴こえる。 「らじゃ!」 落ち着いて息を吸い、ローラースケートを履いた。 (めいには敵うものはない。でもそれでいい……。) ローラースケートを履くと、空も飛べるような気分がいつもしていた。 「よし!」 紐をぎゅっと縛り、空を見た。 建物を確認してから、走り出した。 右へ、右へと移動しながら、途中の電信柱を足場に2階建ての建物の屋根に出る。 走れる場所を確認して、ジャンプしながら先ずはめい、次に金髪を見つける。 『ことりさん、そのまままっすぐ!12時、4階建ての茶色見えますか? そこが登録されている住宅です。』 「見えた!移動中!」 元気良く、ことりは空を飛んでいた。
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