グレーゾーン

捕獲！

エンドストームの従業員寮になっている住所のリストを手に入れた翌日。
1番上から潰して行く事にした。

「ねぇ！実働部隊、人数少ないよ！」
翌日も夏の茹だる暑さ。
家出も夏休みだからこそ行われたものなのだろう。

「タケさんとテントも動いてるでしょ？今日は…。」
地図アプリを見ながら、めいは歩いて行く。

「めいさぁ……。この仕事辞めようとか思わない？」
「んー？どうしたの急に…。」
「要人(ようじん)……今、普通に暮らしてるんでしょ？」
「でしょうね？連絡はないけど？」

「要人は、めいの事気に掛けてた。一緒に行くかと思ってた。
何で行かなかったの？」
ことりは長い間の疑問をここでやっと聞いた。

要人……要石 由人(かないし よしと)
レッドブルグカンパニーにいた先輩で、空手の組み手や闘い方を教えてくれた人でもある。
めいとことりが中学卒業の頃は、新竹と要人が待機と実働で動いていた。
二人が高校生になり、バイトの仕事をし始める。
ペット探し、引っ越し、散歩代行…普通の便利屋の仕事をさせながら、様々な事を二人に教え、二人が高校を卒業すると同時に辞めたのだ。

「したい事がある。グレーゾーンにいては出来ない。」
そう話して辞めて行った。