砂の中から

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砂の中から

なんて顔してんの 最初にそう言ったのは、あんただった 道端に座りこむボクを、 作り物のボクを ひどい顔だよって、腕をつかんで、引きあげた それから、 ボクたちは、街を歩いた 毎日、毎日、ふたりで夜の街を歩いた そうやって、ボクは、 街に、自分に温度があることを知った あんたに出会って、ボクは、 笑うことを、覚えた 泣くことを、覚えた 痛みを、覚えた 人間としての全てを、教えられ、与えられ、 ボクは、ようやく、作り物じゃなくなった やっと、あんたと同じ、人間になれたと思ったのに あんたは、たくさんのものを、与えるだけ与えて、消えた スッと、まるで泡が消える時みたいに
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