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8.営業中のトラブル
今はまだ営業時間中だった。
トラブルが起きない事を祈ります。
その時。
男性の怒鳴り声が聞こえてきた。
私はすぐさま男性のとこにいって事情を聞く事にした。
「お客さん、どうかなされましたか?」
「このパンを落としたのを俺のせいにするんだよ、この従業員がな」
きっと綾子の事を言ってるのね。
綾子が何かをしたのかしらね。
私は綾子のとこにいって事情を聞く事にした。
「綾子、どういうことなの? 教えて」
「あのお客さんが意図的にパンを落としたの、だから注意しただけ」
「本当にそれだけなの?」
「綾香は私の事を疑うの?」
私はどっちを信じていいのかがわかりません。
こんな事は初めてだからわからないでいる。
ここは綾子の事を信じましょう。
「お客さん、パンを意図的に落としたんでしょうか?」
「なぜそんな事をしないといけないんだよ、俺はお客だぞ」
よく考えるとそれもそうね……。
結局、どうすれば解決できるのよ。
私は男性のお客さんの事をじっと見ている事にした。
本当に意図的ならまたきっとパンを落とすはずだわ。
私は男性の事をじっと見ている。
その時。
私は見てしまった。
綾子の言う通りで意図的にパンを落としている。
私は男性のお客さんの元へ駆け寄ると
「今パンを意図的に落としたわね」
「そ、そんな事をするわけないだろ」
「まだそういう事を言うのね、警察にでも行って店内を調べてもらいましょうか」
「そ、それは困る……」
男性は取り乱している。
きっとバレるのを恐れているのね。
「で、どうするの? 素直に認めるの?」
「…………やってもいない事を認めるわけないだろ……」
何この男性のお客さんは……貴女が悪いのに認めないのっておかしいじゃない。
私はだんだんイライラしてきた。
私は男性のお客さんの頬を手で叩こうとした時。
次の瞬間。
綾子が男性のお客さんの頬を手で叩いていた。
「貴女、いい加減にしなさいよ、していい事と悪い事があるのよ」
「この野郎っ! お客さんを手で叩いたな」
「それがどうかしたって言うの?」
「……こんなお店潰れてしまえ……」
私は男性のお客さんが店の外に出る時に
足を引っかけてあげた。
そうすると男性は前のめりになって倒れた。
「あははははっ……お客さん大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
男性は走ってどこかに消えてしまった。
「綾子、冷や冷やしたよ、本当にトラブルは避けてね」
「うん、わかってるわ、でもさっきのは男性のお客さんが悪いわ」
「そういう事になるわね」
私も綾子も一生懸命にパン屋を営んでいる。
しかし、商売をしているとお客さんとトラブルもある。
お客さんが悪い場合もあれば店側が悪い場合もある。
店側が悪い時は素直に認めないとお店の評判が下がる。
私はそれだけは避けたい。
トラブルを避けるためには気を引き締めていかないといけない。
それにしても綾子のおかげでパン屋が繁盛してきている。
こればっかりは感謝しないといけないわね。
時計を見ると営業終了の時刻だった。
「今日の営業はおしまいよ、綾子、お片づけして家に帰りましょう」
「もうそんなお時間なのね、そうしましょうか」
私と綾子はお片づけをしている。
お片づけが終わるとお店を閉めて家に帰る事にしたのだった。
帰宅途中に綾子が
「綾香は今まで一人で経営していたのよね?」
「うん、そうなるわね」
「大変だったよね」
「そんな事ないよ、パン屋が大好きだからね」
綾香は本当に強い子ね。
これなら立派に生きていけるわ。
二人は家に着くと家の中に入ることにした。
「綾子、お疲れ様でした」
「綾香もお疲れ様でした」
二人は横になると目を閉じて寝てしまった。
きっとかなり疲れたのでしょう。
明日も良い事があるといいわね。
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