悪役令嬢はパン屋を開店した

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1.パン屋開店 私の名前は暁綾香(アカツキアヤカ)。 年齢25歳。 職業はご令嬢。 私はこれからパン屋を開店するために準備をしているところだ。 しかも他のパン屋と違って値段も少々高めの設定をしている。 どんだけ人が来てくれるのかはわからないけど、頑張るしかない。 開店準備もできたし、お店を開きましょうか。 「パン屋を開店しまーす、宜しくお願い致します」 と私は言い放った。 いきなり人は来ないよね。 私は店の中に入ってお客さんを待つ事にした。 しばらくしてもお客さんが来ない。 一人のお客さんが来た。 「いっらっしゃいませ」 と笑顔では言わない。 逆に冷たい感じで言った。 そうしているとお客さんはこちらに来た。 「色んなパンが置いてあるのはいいけど、高すぎませんか?」 「何言ってるの? 高くしないと儲けがでないでしょ」 「そんな事をしているの潰れるわよ」 「五月蠅いわね、いちいち何を言ってくれるのよ」 何このお客さん文句を言いにきたのかしらね。 そうだ、良い事を思いついたわ。 「このパンを無料であげてるの、食べてみて」 お客さんはパンを受け取ると1口食べてみた。 そうするとお客さんは 「何、このパン……辛すぎるわ……」 「馬鹿じゃないの、引っかかってるのね」 「どういうことよ」 「私の悪戯よ、文句ばかり言うからね」 お客さんはお店から出ていってしまった。 ああいうお客さんは要らないわね。 しっかりと高い値段のパンだけど、買ってくれる人だけがいいわね。 SNSにでも投稿しようかな。 タイトルはパン屋開店にして本文はパンは高いけど、美味しいお店ですと入れた。 これでokを押していいわね。 投稿ができたわね。 これでどんだけの人が来るのかしらね。 本当に楽しみだわ。 しばらくしてもお客さん来ないわね。 一体、どうなっているのかしらね。 私は先程、SNSで投稿したのを見る事にした。 そうするとこんな事が書かれていた。 新しくできたパン屋は店主の態度は悪い。 後はパンを無料でくれたけど、悪戯されたと書かれてあった。 なんて事をしてくれてるのよ……。 きっとさっきのお客さんね。 私の投稿を見つけて書いてきたんだわ。 すごい腹が立つわね。 どうしてくれようかしらね。 SNSにまた投稿しよう。 タイトルがお客さんで本文はお客さんがいきなり文句を言ってきたので 悪戯をしただけです。 それにお客さんにひどい目に遭わされました。 これでいいわね。 投稿完了ですわね。 私が投稿したのに食いついてきた人がいるのね。 一体誰かしらね。 またさっきのお客さんかしらね。 私は見てみる事にした。 えっと、本文を見ると そんな事をお客さんからされたのですね、お気の毒ですと 書かれてあった。 私の味方になってくれる人もいるのね。 嬉しい限りだわ。 そうしているとまた一人のお客さんが来たと思ったら さっきのお客さんだった。 「また来たわね、この嫌がらせさん」 「なんて事を言うのよ、そんなにこのお店の評判を落としたいの?」 「知りませんよ、そっちがぐちぐち文句を言うからでしょ」 「あのね、冷たい態度、パンが高い、それと店主がそんなんじゃお店が潰れるわよ」 このお客さんはクレーマーね……。 何を言っても無駄なようね。 私はバケツに水を入れてくるとお客さんを外に出すと お客さんに向かってバケツに入っている水をかけた。 「な、なんて事をするんですかっ!」 お客さんはとうとう怒った。 「お客さんがそういう嫌がらせをするのがいけないんでしょ」 「そういう事を言うのね、覚えておきなさい」 お客さんは歩いてどこかに消えてしまった。 当然、今の現状は他の人にも見られた。 まあ、いいわね、これでもお店は潰れるわけないしね。 私は裏で色々な事をしているのよ。 私はお店の中に戻ると店を閉じた。 今日の営業はおしまいだわ。 あのお客のせいで何もできなかった。 投稿した記事でも見ようかな。 見てみるとさっきの一部始終が動画で載っていた。 これはまずいわね。 私はすぐにその投稿記事に返答をした。 本文内容は事実とはまったく関係ありません、それにその前にお客さんにクレーム―のような事も されましたと書いて投稿した。 するとすぐにお返事が返ってきた。 内容は……よくそんな事を言えますね、そんな事をするならしかるべきを処置をとらせて頂きますと 書かれてあった。 私はその内容文に対して返信することにした。 本文にはこう書いた。 できるものならやってみなさいよ、このクレーマーさんと書いて返信した。 投稿完了ね。 そうするとすぐにお返事がきた。 内容文はわかりました、そっちがそういう態度なら致し方ないですねと書かれてあった。 私は項垂れた。 でも、このお店は潰れない。 なぜなら潰れないお店なのよね。 私は一部のパンを持ってとある場所に行った。 そこに行くと子供達がいて私の事を待っていた。 「あっ、お姉さんだ」 一人の子供が私に抱きついてきた。 「パン落とすといけないから離れてね」 「は~い」 しっかりと言えば離れてくれた。 私は子供達にパンを配ることにした。 全員に配り終わるとシスターが出てきた。 「いつもパンを届けにきてくれてありがとうございます」 「別にいいのよ」 「それと見ましたよ、この記事をね」 「シスターも見たのね」 シスターは少しがっかりしている。 「そういう事をしたいのはわかるけど、いい加減にやめたらどうなの?」 「シスター……説教でも始めるの?」 「そういうわけじゃないけど……」 「それにいいのよ、お店の評判が下がっても潰れなければね」 私がお店を開店した理由は売れても売れなくても子供達にパンを届けたいという理由があった。 普段は悪い事をしているけど、裏では良い人になりたい。 私とってそれだけで十分だった。 「シスター私は帰るね、お金は本当に要らないよ」 「はい、わかりました」 シスターはお辞儀をする。 私はその場から離れると子供達がこちらに来た。 「いつもパンをお姉さんありがとう」 と言われてしまった。 私はそれを聞いて目に涙を浮かべて泣きだしてしまった。 子供達にだけ喜ばれればいいの……それだけでいいのよね……。 「みんなまた来るわね」 私はその場から離れる事にした。 そうすると例のお客さんと鉢合わせになった。 「あらっ、偶然ね、お客さんここで何をしているの?」 「例のパン屋さんの店主じゃない」 「ここで何をしていたの?」 「それをあなたに言う必要があるの?」 私はどうしていいのかがわからないためにじっとしている。 「教えてほしいわね、私に制裁でも加えるの?」 「しかるべき処置の事ね、そんな事をするわけないでしょ、それにああいう事を言っておかないと私の立場って ものがありますからね」 「なるほどね、そういうことだったのね」 「それにお店を開いてどうするかはあなた次第でしょ、私にはどうのこうの言う事はあってもそれを聞き入れるか もあなた次第でしょ」 私はよく考える事にした。 確かにこのお客さんの言う通りだった。 しかもお店を潰すかどうかもきっと私次第でしょうね。 あのお店を長く続けたいならパンの値段を下げるしかないのかしらね。 私は下げたくない。 少ない人でもいいから売れればいいと思っている。 「そういえば、貴女こそ、ここで何をしているのよ?」 「別にいいじゃない、貴女には関係ないでしょ」 「私には聞くだけ聞いておいて何もお話しないのね」 「今は教えるような事じゃないわね」 私はその場から離れようとすると引き留められた。 「お待ちなさい、貴女は本当良い人でしょ?」 「気のせいよ」 私はお店に帰る事にした。 もうこんなお時間なのね。 今からまた営業をしてもダメね。 私は家に帰る事にした。 家に着くと 「今日も疲れたわ」 と言いながら、私はベッドの上に仰向けになると目を閉じた。 まだ寝ないけど、考えたい事があった。 あのお客さん、一体何者なのかしらね。 気になって寝れないわね。 調べてみたいけど……情報がない。 そんなことはしなくてもいいわよね。 私は明日のために寝ようかしらね。 目を閉じて私は寝ることにした。
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