友情か愛か 前編

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「おはよう…」 「おはよーって、優翔顔色やば」 「え、ほんとに?」 「うん。なんか死人みたい。顔色悪すぎて」 弟を死人呼ばわりとは 別にいいんだけどね 体はだいぶ楽になったし、動けるようになった 熱はまだ測ってないけど 歯ブラシに歯磨き粉を付けて歯を磨く 姉ちゃんは、顔を洗って、髪を1括りにして洗面所から出ていった 改めて自分の顔を見る うぅ、目の下の隈がすごいな 泣いたから少し腫れてるし 口をすすいで顔を洗う 水が冷たくて気持ちいい 顔を拭いてリビングに行くと、皆がご飯を食べていた ぼふんとソファに座ると、ショートが横に来た 「優翔、もう体は平気か?」 「優翔大丈夫ー?熱測った?」 「もう平気。大丈夫。熱は測ってないけど」 「測れ。ほれ」 姉ちゃんがポイッと体温計を投げてきた 慌ててそれをキャッチして電源をつける 体温を測っている間、ショートを撫で続ける ゴロゴロと喉を鳴らして擦り寄ってきた 可愛い ピピッと音がした 「36.6度。下がったよ」 「良かったわー。はい、朝ごはん」 「お、もうこんな時間か。仕事に行ってくるよ」 「「「行ってらっしゃい」」」 「行ってきます」 リビングを出る父さんに続いて、マロンとショートも一緒にリビングを出た ドアの方で父さんの行ってきますと言う声と、マロンとショートの鳴き声がした 椅子に座って手を合わせる 「いただきます」 目玉焼きとベーコンとレタスが皿に盛り付けてあって、白ご飯から湯気がたっている パクパクと口に入れて頬張る ベーコンの脂がじゅわりと口の中に広がる 美味し 「あ、そうだ。優翔、買い物行かない?」 「買い物?何買うの?」 ご飯を食べ終わった姉ちゃんが聞いてきた ふふふと姉ちゃんが笑う 「BL漫画とレジン」 「あぁ、おっけー。俺も行く」 「母さんも仕事行ってくるわね」 「「行ってらっしゃい」」 またマロンとショートがついて行った 空になった皿を片付けてテレビをつける 特に何もしてないな 「買い物は昼からにしよっか」 「そだね」 「それまでマロンとイチャイチャしよっと」 宣言通り姉ちゃんがマロンとイチャイチャしだしたから俺もソファに寝転がった
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