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『ただ、古いから見つかるかどうかわからないんだろ。賭けだよな。』
《確かに賭けですね。後は先輩が決めて下さい。》
『まぁ、行ってみるよ。俺と野間口不在の時、敬子達に何かあれば頼むね。』
《わかりました。お任せ下さい。》
結城はスマホを切り鞄を持ち外に出ると敬子は笑顔で
『気をつけて行ってらっしゃい。電話待ってるからね。』
結城はにっこり笑い
『後は任せるね。何かあれば大門を頼るんだよ。』
敬子は笑顔で
『うん、わかった。』
越智は野間口に
『それじゃ気をつけて行ってらっしゃい。お土産は酒でいいから。』
野間口は
『店に置く酒、探してくるから。』
中瀬は
『そろそろ行くよ。』
中瀬はシートベルトを締めエンジンをかけ、結城と野間口は車に乗り込んだ。
………………
安房鴨川駅に向かう車の中
運転中の中瀬は
『そう言えば山村さんに渡したパワーストーンって名前の発信器なんだけど、全然動かないんだよね。』
助手席の結城は
『多分、渡した後にタンスの上とかどこかに置いてそのままなんだろ。失敗したかな。』
中瀬は
『まぁ、そう言う事もあるよね。』
『この特急列車に乗ろう。今、安房鴨川駅に行けば余裕で間に合うよ。』
野間口はスマホで電車の時刻表を確認していた。
結城は
『今の特急列車はどこも同じかわからないけど、今は売り子さんが居ないよね。前は特急列車に乗って、売り子さんが来たらお茶とか弁当を買ったんだけどな。』
野間口は
『特急列車の売り子さんは特急の名物だったのに何か寂しいよな。』
結城は
『だから飲み物ぐらいは安房鴨川駅の中のコンビニで買うか、駅前のセブンイレブンで買うかだな。』
野間口は
『それなら浅草に一泊ならコンビニで缶ビールを買って飲むよ。』
結城は
『お前の事だ、浅草に到着する頃には完全に出来上がってるだろうな………』
中瀬は
『結城君だって野間口君が飲むなら一緒に飲むでしょ?』
結城は笑って
『もちろんワンカップ数本にイカの足や柿ピーを買うと決めてた。』
中瀬は
『酔っ払い二人が無事に浅草に着く事を祈るわ………』
中瀬の運転する車は駅の正面に車を止めてもらい二人は車を降りた。改札で東京駅までの特急わかしお号の特急券と乗車券を買い、駅前のセブンイレブンで酒と摘みを買った。
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