駅前商店街の便利屋探偵5〜さざなみの詩〜

南雲と言う人物

二人は電車を降りて会津線に乗り換えた。

野間口は

『ずっと座ってたから疲れたな。』

結城は

『会津田島駅の二階にカフェがあって、俺はあの雰囲気は好きだな。』

野間口はスマホの時計を確認し

『へぇ〜、それじゃ昼飯がてら寄るか？』

結城は

『会津若松駅まで行ってから昼にしようよ。』

会津線は定刻通り会津田島駅を発車した。

野間口は車窓を眺め

『風景がすっごい田園風景だな。田んぼ、畑、山、たまに民家………』

結城は笑って

『会津若松駅の手前の駅の七日町までこんな感じだよ。』

野間口は

『しかしお前詳しいな。』

結城は

『前に敬子と会津若松に旅行に行った事あってさ。俺は前もって色々と調べてさ。』

野間口は

『そう言えばお土産もらったな。クルミゆべしだっけ。あれ美味かったよ。』

電車が下郷駅に到着し結城は

『会津線の下郷駅の中にカフェがあって、天然か養殖かわからないけど、マスバーガーってあって結構美味かったよ。リピーターが多いらしい。』

野間口は

『マスバーガーって多分東京でも食えないぞ。食べてみたいね。会津線の見どころ知ってるなら教えてよ。』

結城は

『それじゃ、次の弥五島駅は塔のへつりで有名なんだ。川の吊り橋から見る断崖絶壁は見応えあり。』

電車は湯野上温泉駅に到着すると結城は

『ここの駅は一度は降りて駅舎を見てほしい駅。日本で唯一の茅葺き屋根の駅で、駅の待合室には囲炉裏があって、観光客に人気の駅。駅の外から写真撮影をする人達も居る。外に足湯もあるよ。』

野間口は会津線のパンフレットを見て

『会津線は温泉って付く駅が他にもあるんだな。この芦野牧温泉って、確か有名なホテルがあったよな。』

結城は

『この芦野牧温泉って駅から離れてるんだよな。ただ昭和の風情漂う温泉だよ。』

野間口はパンフレットを見ながら

『どこに宿泊するんだ？』

結城は

『東山温泉に宿泊予定。実は東山温泉には、かの有名な新撰組副長の土方歳三が戦の傷を癒す為に入った温泉宿があるんだよ。今現在その宿の壁には土方歳三の肖像画が描かれてある。』

野間口は

『東山温泉に決定だな。やっぱり会津若松市なら鶴ヶ城と飯盛山と武家屋敷は行きたいよな。』

結城は

『鶴ヶ城は有名だよな。飯盛山は寝不足と空腹だった白虎隊士中二番隊が城が燃えてると勘違いし自決した場所で、今現在一人一人のお墓がある。武家屋敷は家老の西郷頼母の一族の女性、婆様から幼い子供まで集団自決した事で有名。せっかく会津若松市まで来たんだから早く終わったらどこか寄りたいよな。』

暫くして電車は七日町駅を発車して会津若松駅に到着しようとしていた。