南雲と言う人物

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野間口は結城の真面目さに 『本当に真面目なやつだ。』 結城は野間口の言葉に 『お前ね会津若松市に来て石鹸の国に行ったって越智さんにバレたらタダじゃ済まないと思うよ。』 野間口は赤信号で止まり、結城を見て 『美和さんにはバレないって、千葉県と福島県だよ。どれだけ離れてると思って。ビクビクし過ぎだ。』 結城は外方を向き 『俺はやらないからな。』 野間口はあくびをして 『ふぁ〜………しょうがないな。それじゃ到着したら温泉に入ってゆっくりしよう。』 暫くして車は東山温泉郷に到着した。 ……………… 次の日の朝8時 野間口の運転で南雲の住んでいた住所に向かった。野間口は周りを見て 『カーナビの通りに来てるけど………だんだんと周りの風景が寂しくなってきたな。』 助手席の結城も周りを見渡し 『本当にこの住所に部落なんかあるのか?』 野間口は車の速度を落とし 『まさか廃墟の部落で誰も住んでなかったりしてな。』 結城は笑って 『そんな場所は肝試しをする輩が増えて、落書きしてく奴らが多いから凄い事になってそうだ。』 野間口も笑いながら 『都市伝説にもなってるかもよ。』 結城は 『見えちゃいけないものが見えたとかって都市伝説か?』 野間口は 『未確認飛行物体を見たとか宇宙人を見たとか。』 結城は笑って 『お前はテレビで怪しい番組の見過ぎだ。』 野間口は結城を見て 『お前にはロマンがないのか?宇宙人が居たら凄い事じゃないか。』 結城は窓の外を見ながら 『歴史ロマンはあるけどそっちのロマンはないな。って、前を向いて運転しなさいよ。』 野間口は運転しながら周りを眺め 『しかしさっきから気になってた事だけどさ、街灯が全然ないんだけど………』 結城も周りを眺め 『あれ?本当だ。暗くなる前には戻りたいね。』 野間口は胸ポケットからスマホを出して 『ちなみにここはスマホの電波は………』 結城も胸ポケットからスマホを出して 『辛うじて一つだけだな………』 野間口はスマホを仕舞い 『こんなところでガス欠やパンク、故障、迷子なんてなったら………』 結城はスマホを見ながら 『笑うしかないよな………』 野間口は溜め息をつき 『ふぅ〜、そうならない事を祈る………』 野間口の運転する車は南雲の住んでいた地域に到着した。
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