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夜22時太海、居酒屋大将
ブォ〜〜〜………キキ〜〜〜ッッッ、ガチャ………
結城は敬子が何者かに狙われた事を電話で知り、野間口と一緒に慌てて特急わかしお号で安房鴨川駅まで行き、安房鴨川駅からタクシーに乗って居酒屋大将に戻ってきた。店には臨時休業の紙が貼ってあった。
ガラッッッ………
『敬子っ、大丈夫かっっっ!!』
店舗には中瀬と越智の他に佳奈枝と小百合の姿もあった。結城は慌てて店に入り敬子の側に駆け寄った。
『純く〜ん、やっと帰ってきくれた〜………』
敬子は結城の胸に飛び込んだ。
『凄く怖かった〜………』
結城は敬子を強く抱きしめ
『ごめんな、ホントごめんな………って、狙われて怪我とか大丈夫なの?大門には連絡入れたの?』
敬子は結城から離れて店の端っこに目をやり
『うん、大門君には連絡した………ねぇ、たまたま通りかかって助けてくれて、間一髪で助かったんだ。純君からもお礼して。』
結城は敬子が向いてる方向に目をやると店の端っこに腕を組み壁に背中を預けて寄り掛かってた人物が居た。結城は驚きの表情で
『えっ、ってどうしてここに川口さん………?ここに居るなんて珍いじゃん。』
そこには川口静恵が居た。川口は結城を睨み
バキッッッ………
『痛てッッッ………』
川口はいきなり結城の横っ面を殴り、殴られた勢いで壁にぶつかりその場に倒れ、その光景に周りの者達は驚いた。
『結城君、愛する女の一人を守れなくてどうするのっ………?一緒に連れてくべきじゃなかったのっ?今回は私が運良く通りかかったから良かったけど、通り掛からなかったら今頃真田さん、病院で最悪のシナリオだった可能性があるんだよ。今の一発は結城君の今回の行動に対しての一発だから………相手は確実に空手使いだった。しかもその人物は強いよ。私の必殺技、右上段蹴りを腕で受けるなんて………オートバイのフルフェイスのヘルメットを被ってたよ………』
敬子は慌てて結城の前に立ち、川口に
『川口さん、もうこれで止めてあげて。お願い………』
倒れてる結城は頬を摩りながら
『マジで痛って〜………今のは効いた………木更津港とバーで見た奴かも………川口さん、ここに来るなんて珍しいじゃん。』
川口は結城の腕を掴み立ちあがらせ
『結城君が今捜査してる事件の事をね、そこに座ってる沖谷さんにこの前偶然に館山駅で会ってさ聞いたんだ。それでね、この前のお礼も兼ねて結城君にあるものをおくったから。って言いに来たの。』
結城は川口の意味あり気な言葉に
『あるもの?って、何を贈ったの?』
川口は笑顔で帰る準備をしながら
『もちろん秘密。結城君にも会えたからそろそろ帰ろうかな。』
結城は壁に掛けてある時計を見て
『敬子の事を助けてくれてありがとう。それともう一つ………言い難い事なんだけど、今の時間は22時過ぎで内房線の終電とっくに行っちゃってるぞ………』
川口は一瞬動きが止まり
『え、マジで………って、何でもっと早く帰って来なかったの〜っ………?』
中瀬は
『ねぇ、私が送っていくよ。結城君も付き合ってよ。』
結城は
『多分、疲れてるからずっと寝てるぞ。』
その後、川口は中瀬の運転で館山市の自宅に帰宅した。もちろん結城は車の中で爆睡していた。
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