序
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序
その村から見える海は、一年を通してずっと灰色をしているという。 これから後の人生で、再びその村を訪れる気はあるかと問われれば、おそらく僕は「ない」と答えるだろう。 しかし困った事に、僕はどこにいても海を見る度、その村のことを思い出してしまうのだ。 ――― しもつげ村の、カナメ石。 不思議な村の、不思議な石にまつわる話である。
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