警告

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警告

 勉強会が終わって、夕飯の時間。姉は珍しく饒舌(じょうぜつ)だった。  桃花さんが、売れっ子のモデルだって事。クラスが同じで、すぐに友達になれた事を嬉しそうに、家族全員に説明した。  父はいつも通り、無言で頷く。母は「そうね。かわいい子ね」と相槌(あいづち)を打つ。 「お姉ちゃんも、美人だよ?」  僕が言うと、姉は困った顔をする。誉めたつもりなのにな。  夕飯を食べ終えて部屋に戻る途中、姉に声をかけられた。 「わかってると思うけど」と前置きしてから「桃花は、ダメだからね」と言ってきた。 「なんの、話?」 「狙うなって意味!」  狙う? 自慢じゃないけど、僕は今まで彼女どころか、女の子の友達も居ないんだよね……。 「今は桃花にとって、大事な時期なの。ちょっかい出さないでよ。じゃあね!」  言いたいことだけ言って、姉は自分の部屋に戻る。一緒に勉強しようと言ったのは、姉達なのに。  ……いつも、そうだ。僕の意見なんて、お構い無し。  あーあ。男兄弟が欲しかったな。
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