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「まあ、なんて言うかさー。バレないように頑張れよ? 俺も出来ることは、協力するから!」
今は、勇人の言葉が心強い。
……ん? バレないように?
僕、勇人に何か、話したっけ?
「ごめん、勇人。何か、話が見えないんだけど……」
「あー。紗綾ちゃんに聞いた。何て言ったっけ?『僕、女の子になりたい♪』みたいなキャラで、雑誌に出るんだろー?」
なんで。なんで、勇人の方が詳しいの? 僕、何も聞いてないんだけど……。
「えーと。どう言うことか、説明してくれる?」
勇人は姉から話を聞いたらしい。「青山桃花」と『セット売り』することになったからと。
本人の僕ですら、よく知らない話だ。どうして姉は僕ではなく、勇人に詳しく話したんだろう。
「なんで、お姉ちゃんから、そんな話を!?」
「黒木の事で、連絡したんだよ。俺から紗綾ちゃんに」
勇人は何でも無いことのように言った。
「黒木さんの事? なんで、お姉ちゃんに?」
訳がわからない。黒木さんが、桃花さんに憧れているから? それとも姉『紗綾』のファンだったとか?
「黒木、モデルになりたいんだってさ。なんか、蓮への態度も変だったし。それで、色々聞いたってわけ」
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