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姉と姉の友達
僕の姉『吉河紗綾』は、十代の女の子に人気のファッション雑誌『ベリーズ』で、読者モデルをしている。
弟の僕は、雑誌の名前くらいしか知らないのだけれど。高校に上がってから、クラスの女の子に姉の事を聞かれる事が多くなった。
理由は単純に、僕が姉と同じ高校に進学したから。
今日も朝から、クラスの女の子が話しかけてきた。入学して一ヶ月が過ぎたし、クラスの男の子達の目もあるし。少し困っている。
僕だって、男友達と普通の会話をしたい。自分の時間だって、欲しいんだけどな……。
「吉河くんのお肌、すごく綺麗だねー」
「それは、お姉ちゃんが、色々くれるから……」
肌の弱い姉は、自分に合わない化粧品を僕に押し付ける。使わないと怒られるので、基礎化粧品だけは使っている。
「いいなー。わたしも、紗綾さんみたいなお姉ちゃんが欲しいー」
「本当、羨ましい！」
クラスの女の子達は、羨ましく思うようだけど。男の僕には、あんまり嬉しくない事だ。
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